NADA(National Acupuncture Detoxification Association)全世界で中毒患者さんの治療に役立っている鍼灸の施術方法です。
概要は耳のツボ
主な適応疾患に
① 麻薬中毒
② アルコール中毒
③ コカイン中毒
④ 精神疾患(不安・不眠・うつ・自殺企図・PTSD)
NADAの歴史
香港の外科医であるDr.Wenがアヘン中毒患者の手術(脳を半分にする手術)の担当でした。
手術時の痛みの軽減のために耳に鍼をしていたら、禁断症状が無くなり耳鍼が中毒による禁断症状が有効ということが
たまたま見つかったという経緯です。
その際の耳に二つ(神門、脳幹)合谷、後谿、肩貞だったようです。
2年後に中毒回復センターに紹介、70年代のアメリカはヘロイン中毒の巣になっていたので紹介されれば
すぐ使われるようになりました。
耳の鍼だけで効くので耳鍼の現在のNADAの主要穴で治療を行っています。
薬物をやめる際に一番大変なのは、禁断症状です。
NADAはここに一番効きます。
当然耳の鍼だけでは不十分です。カウンセリングや、運動、集団行動などのプログラムを並行して行います。
様々な論文もあります。いい結果の文献、いい結果ではなかった文献。
いい結果の文献はイェール大学医学部が行ったもので、コカイン中毒患者の対象人数が82人で8wに渡って週に5回
の治療を行ったものです。
結果はNADAプロトコルで概説されるように耳介鍼治療を受けたpatiensは、2つの対照群の患者をしたよりも8週間の研究の過程で大幅に少ないコカインを使用したことを示しました。とのことです。(Google翻訳でしました・・・。)
いい結果がでなかった文献では、なぜ失敗したかの考察で以下のことを述べていました。
・施術者が鍼灸師ではなかった
・NADAは本来座位か仰臥位でリラックスして行うが対象人数が多いため歩いた
・ツボが的確な場所ではなかった
・本来捻転などの刺激を途中で行うが、対象人数が多いため置鍼のみだった。
が挙げられています。
当院ではNADAを主にパニック障害(以前にパニックが出現したことがトラウマになると捉える)精神疾患の離薬の補助、
心因性の疼痛の補助として行っています。体の不調・痛みの施術と併用して行うことが多いのですが、効果は高いと実感して
います。
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