血管迷走神経反射性失神 (施術時の失神)

血管迷走神経反射という言葉を知っているでしょうか?

知っている人からすれば当たり前のことをいまさらという感じだと思うので、この記事を読む必要性は全くありません。要は医療従事者として知っているかどうかだけのことです。

知らなかったら今日覚えてしまえばいいし、そして従業員や同級生に話ししてアウトプットし自分の知識としてしまえばいい。

さらに知識に厚みを持たしたかったらGoogleでググればなおいいでしょう^^

 

内容は1、迷走神経について 2、迷走神経反射の生理 3、症状 4、施術時の発生機序 5、100%予防法(施術時)

 

血管迷走神経反射性失神とは、激しい痛み・ストレスなどにより一過性の脳血流の低下を引き起こし失神を起こすものです。

だいたい1分以内には意識は回復します。

 

1、まずは迷走神経のことから簡単に。迷走神経は運動・知覚・副交感を司り、分布範囲はめっちゃ広いです。(全部も覚えていません)

運動は反回神経と咽頭周辺の筋に分布

知覚は胸部腹部の臓器の一部の知覚と耳らへんの表在知覚、あと学生時代に迷走神経は孤束核を経由するため味覚にも関与する(喉越しの旨さ??的な)と教わったのを覚えています。

痛みや、ストレスの際にこの迷走神経が密接に関与していることは言うまでもありません。

 

2、迷走神経反射は、外界刺激が迷走神経の求心性線維により中枢に伝わり、遠心性線維が生命維持のために末梢各臓器もしくは効果器に防衛反応を形成する反射である。

血管迷走神経反射は、迷走神経反射の過剰のために徐脈と脳血流不足を来たし意識を失う発作である。また、息をこらえることで意図的に動悸を鎮めるバルサルバ法は迷走神経反射を利用したものである。(Wikipediaから引用)

 

要は激しい痛み・ストレスから体を解放するため交感神経がガチガチの状態の時に、副交感神経を完全に優位にしてしまうのです。

副交感神経を優位にすることは良いことじゃないの??と思ったかたもいらっしゃると思うのですが、この場合徐脈になるレベルまで優位になります。急に寝る!みたいなイメージですね。

抽象的な”自律神経のバランスが悪いですね〜”というようなホンマか嘘かわからないようなバランスの悪さではなく

自律神経のバランスが副交感に傾いたと捉えてください。

 

3、症状はまずは吐き気、顔面蒼白、腹部不快感、フラつき、そしてひどくなれば失神を起こします。

4、発生機序は 動けない程度のギックリ腰・かなり痛い寝違いの施術時、骨折・脱臼の整復がスムーズにいかない時かなと思います。

ほぼ座位で遠位の経穴を使用し痛みの確認で患部を動かす施術時に発生します。整復時も場合も座位で行った時です。

 

5、予防法は簡単です。臥位で施術すれば100%起きないです!寝ている状態から失神を起こすことはありません。

 

伝えたいことは施術の途中に患者さんが失神する可能性があり、その生理的な作用がわからなければ術者は不安恐怖という波に襲われるということです。

要は無知はリスクということです。