2017年 ドラフト会議でヤクルトに3位指名された蔵本君について書いていきます
彼を診て自信が確信に変わったのは、トミージョン手術後のリハ、アスリハ、投球練習の効率をよくするのに鍼灸は有効であるということです。
もともと高いポテンシャルと意識がある選手で練習も真面目に取り組んでいたためMax 151kmというのは必然ですし、まだまだ急速・球威は上がるでしょう!
2015年冬にトミージョン手術を行い2016年10月ごろから鍼灸を行いました。
初めは投げれば肘内側部の張り・痛みがあったが3月ごろには強く投げれるようになりました。
4月の春のリーグではロングイニングも投げれるようにまでなりました。
推測ではありますが、やはり術後は術創周囲の鍼・灸が有効だと考えています。
瘢痕組織や癒着等が皮膚の下では実際どのような状態になっているかはわからないですが、正常組織配列とは異なってると仮定し、鍼灸によって得られる貪食細胞の機能上昇が肘の易疲労感・炎症を減少させてくれていると考えています。頻度は週に1~2回行ってました。
もちろん鍼灸だけではなく他はリアラインを用いた胸郭・骨盤の可動域を増大させる訓練です。
その中でも胸郭の可動性・随意的に動かすためのトレーニング、基本動作での胸郭の意識というものを
重点的に行いました。
やはり肘・肩の障害で股関節の可動域というのがトレンドというか絶対的に言われるところですが、
まずは胸郭の動きを見直すほうが効果的だとは思います。
股関節は柔軟性が上がるだけでは何の意味がないため、柔軟からの動作、胸郭との連動まで持っていくにはかなり
時間がかかり、結果が得られないように感じます。
シーズンオフになれば当然股関節と胸郭の連動のための可動域訓練、トレーニングを行いますがまずは胸郭の動きを見直してみてはどうでしょうか?
当然基本的なリハ・アスリハがあってこその鍼灸なのですが、術後は鍼灸によって予後経過がよくなると思ってもらっていいでしょう。
これも蔵本君がプロに行ってくれたから声を大にして言えることですが。
澤村選手の長胸神経麻痺の件でスポーツ障害と鍼灸に暗いニュースが流れたので、鍼灸がスポーツ障害で貢献できた事例を挙げさせていただきました。(本人の許可は取ってます)
刺入法はこの例では切皮または横刺で置鍼を行っていました。投球後などで張りが強い時などで手三里・孔最
の反応が強いときのみ雀琢を行いました。参考までに。