呼吸と肩こり

こんにちは❗️理学療法士の秋田です。

突然ですが、皆さんは1日何回呼吸を行なっているかご存知ですか?なんと1日2万〜3万回呼吸を行なっているんです❗️歩いている時も、寝ている時も、常に呼吸はしています。もし、この呼吸するための機能に異常があったり、間違った呼吸の仕方をしていたら、、、異常な呼吸を2万〜3万回行うので体のどこかに異常を来しても不思議ではありません。今日は、そんな呼吸と肩こりについて説明していきます❗️その中でも、特に肋骨の動きに着目して説明していきます。

腹式呼吸と胸式呼吸

呼吸の方法には大きく分けて2種類の方法に分けることができます。「腹式呼吸」と「胸式呼吸」です。この2つで肩凝りを誘発しやすい呼吸方法は「胸式呼吸」です。胸式呼吸は努力的な呼吸なため、常に力を入れて呼吸を行うため肩凝りを誘発してしまいます。反対に「腹式呼吸」は受動的な呼吸なため、余分な力を入れなくても呼吸を行うことができます。

腹式呼吸

吸気時に横隔膜が収縮し、ドーム型の横隔膜が平坦化、さらに外肋間筋が収縮し肋骨が挙上、外旋することで胸腔内が拡大し、陰圧となります。吸気時に拡大した胸郭が横隔膜、外肋間筋の弾性収縮力により復元していくことで胸腔内圧が高くなり受動的に呼気を行います。そのため、腹式呼吸で活動する筋は外肋間筋横隔膜のみで、受動的な呼吸となります。

胸式呼吸

胸式呼吸では吸気時に胸郭を拡大させる際に、横隔膜よりも胸鎖乳突筋や僧帽筋、斜角筋など、首周囲の筋肉を利用して吸気を行います。首回りの筋肉を優位に使用すると、呼気の際に横隔膜や外肋間筋の弾性収縮力が得られず、受動的な呼気が行えないため腹筋群などを利用して呼気を行います。そのため、胸式呼吸では腹式呼吸よりも多くの筋活動を要し、努力的な呼吸となります。常に胸式呼吸を行なっていると、首や肩回りの筋肉を過剰に利用します。1日2万〜3万回この胸式呼吸を行っていると、首や肩周りがガチガチに固まってしまい、肩こりの症状が出現します。

リブフレア

呼吸と肩凝りの関係は、特に胸式呼吸を行っている人は要注意です。ですが、好き好んで胸式呼吸を行なっている人はほとんどいません。皆さん知らず知らずのうちに胸式呼吸となり、肩こりが出現してしまいます。胸式呼吸に陥りやすい体の状態の一つが、「リブフレア」です。肋骨は、通常吸気時に挙上、外旋しますが、「リブフレア」のかたは安静時から肋骨が挙上、外旋し、横隔膜が平坦化しています。そのため、常に胸郭が拡大した状態にあるため、吸気時には酸素を取り込むために首や肩周りの筋肉を過剰に使用します、つまり胸式呼吸となります。リブフレアの方は胸式呼吸となりやすい肋骨の位置となっているため、肩こりを誘発しやすくなります。

リブフレアの見分け方

胸の真ん中には胸骨が存在し、胸骨の下端(剣状突起)から左右に肋骨が付着しています。この左右の肋骨と胸骨下端(剣状突起)がなす角度を肋骨下角と言います。肋骨下角が90度以上だとリブフレアを疑います。また、座って通常通り呼吸してもらった際に、肩が上下に大きく動く方は胸式呼吸を用いて呼吸を行なっています。

改善方法

一番の改善方法は、呼吸方法を変えることです。肋骨を内旋方向に誘導するエクササイズなどもあるので、それらもオススメですが、一番は普段の呼吸方法を変えることです。1日何万回と行う呼吸方法が変われば、自然と肩凝りなどは減少していきます。胸式呼吸→腹式呼吸、これがとても大事です。腹式呼吸では吸気時に肩を上げるのではなく、横隔膜を下げてお腹を横に広げるイメージで呼吸をするとやりやすいです。

終わりに

注意して頂きたいのは、胸式呼吸やリブフレア=肩凝りというわけではありません。肩こりは他にも様々な原因がありますので、その原因の一つとして今回は呼吸について紹介しました。肩こりについては、今後も記事で説明して行きたいと思います。ありがとうございました!!

理学療法士 秋田