体幹トレーニングを指導するのに必要な知識とstabilityの定義

『体幹を意識して!』『軸がぶれてるよ』などスポーツの現場や指導で

よく耳にする言葉だと思います。

ほな、体幹ってなんなん?軸ってどこ?ってなるのが普通やと思います。

そこを理解せず体幹トレーニングなどにより形だけを教え込み、クセづけることによって

パフォーマンス低下や障害予防を招く可能性がでできます。

ここでは体幹安定 stabilityの定義について述べたいと思います。

まず結論から言うと横隔膜が下がり深部腹筋群、骨盤底筋群のバランスのとれた強調運動

が起こることにより腹腔内圧(IAP)が上昇する。ということです。

腹腔内圧

腹腔内圧

 

よく言われるドローインは本来は腹横筋を収縮させるのが目的のトレーニングのはずが

お腹を凹ませるトレーニングに変わってしまいました。初めはエコーなどで腹横筋を見ながら

脳にフィードバックをかけてトレーニングをしていかないと絶対に体得できないトレーニングだと

感じたのを今でも覚えています。腹式呼吸➕お腹を凹ますというstabilityには程遠いダイエット

プログラムに変貌を遂げました。

とはいえ確固たる決まりはないのですが、私が学んだDNSいう赤ちゃんの動作(発達運動学)

からstabilityを定義しstabilityを維持した状態でエクササイズ、トレーニングを行うというのが

もっとも理にかなった体幹を安定させるためのエクササイズだと考えています。

 

ここからが本題です。

 

まず筋が単独で動くことがないというのは誰でもわかることですよね。

必ず運動連鎖がおこり連鎖に働いたり、フォースカップルとして働きます。

『腹横筋』も単独では働きません。指一本動く前に収縮するともいわれている『腹横筋』ですら

『相互作用』により働きます。むしろ『横隔膜』が下がらなければ機能しないんではないかと考えています。

横隔膜が下がり腹横筋、骨盤底筋が連鎖的に活動した時に体幹のstabilityが得ることができます。

この際には腹壁の筋は遠心性収縮にとり筋活動を起こします。

よくお腹に力を入れろと指示すると腹直筋、腹斜筋を求心性収縮させるケースがしばしばあります。

体幹が動いてしまうことは明白です。

stabilityどころか重心の位置も変化し動作毎にブレが生じます。そうすれば技術やプレーの遂行の際に一貫性がなくなります。

横隔膜、腹斜筋、骨盤底筋の協調運動が行われた時は腹圧は上昇するため全体的に膨らみます。

体幹のstabilityがある選手ほど体幹部分は寸胴なのです。

腹圧をキープしたまま動くとはどういうことか?

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上記の図の一番左の状態で動くということです。

横隔膜と骨盤底筋の位置関係が一定であるということ、すなわち下部肋骨、骨盤の角度・高さが変わらないということです。

その結果重心が安定するのです。

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スクワット1

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スクワット2

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スクワット3

三人のスクワットがみられます。(写真はネットからの抜粋です)

正しいスクワットで検索するとだいたいが

・背中を丸めない・膝がつま先より出ない・膝とつま先が同じ方向・おしりを突き出す・・などです。

間違ってないのですが、やはりもっと踏み込んで指導しないと勿体無いと感じています。

スクワット1。よく見かけますよね?背中を丸めないようにおしりを突き出してつま先から出ないように行っています。

しかし腹圧への意識がない分、膝主体での動きから始まり、途中で股関節を屈曲させおしりを落とす行為なのがおわかりになると思います。

機能的なトレーニングではないですよね?そもそも立位の状態で・・・って話になりますが、これはスクワットではないと考えています。

次にスクワット3。赤ちゃんです。

脊柱が安定してるのがおわかりになるでしょうか?

なでこのようなスクワットができるのか?

そう腹腔内圧がしっかり上昇しているためです。

ここに発達運動学の肝となる部分あるのです。そこについてはまた次回!!

最後にスクワット2。

画像ではわかりにくいですが、腹腔内圧が上昇しているため、腹部の凹み感はないと思います。

このスクワット意外と難しいです。ほとんどの人が骨盤の前屈が伴います。ほとんどの人が!!

さらに腹式呼吸が出来なければ意識し続けることは不可能になってきます。

今回は簡単に横隔膜と腹腔内圧の関係性とスクワットに関して簡単に書きました。

次にこのカテゴリーで書く際には発達運動学をしっかり説明します。

最後まで見ていただいて、感謝しています。