肩甲上神経の知覚枝

肩甲上神経といえば、棘上筋・棘下筋の支配神経として習っていると思います。

これらは実は知覚神経の枝が存在します。

Aszmann(1996)らは肩関節包について、前方部は肩甲下神経、腋窩神経、外側胸筋神経が、後方部は肩甲上神経、腋窩神経が支配していると報告しています。

知覚枝は,17 肩中15 肩(88.2%)で確認できた.知覚枝は,15 肩において計33 枝が存在し,上肩甲横靱帯通過前で分岐するもの(以下,パターン1)2 枝(6.1%),上肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン2)6 枝(18.2%),棘上筋の腹側面(深層)で分岐するもの(以下,パターン3)21 枝(63.6%),下肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン4)4 枝(12.1%)に分類された.また,棘下筋の腹側面で分岐するものは観察されなかった.それぞれの主な分布域は,パターン1 および2 は肩鎖関節包および肩関節包の後面上部,パターン3 は肩峰下滑液包および関節後面の上部から中央部,パターン4 は肩関節包の後面中央下部であった.知覚枝が肩関節包に進入する部位の組織学的観察において,神経線維およびPacini小体様の固有知覚受容器が認められた.【考察】Aszmannら(1996)は,肩関節包の知覚について,前方部は肩甲下神経・腋窩神経・外側胸筋神経が,後方部は肩甲上神経・腋窩神経が支配すると報告している.また,肩甲上神経知覚枝として,上肩甲横靱帯通過付近で分岐し肩鎖関節・肩峰下滑液包・肩関節包後面上部に分布する枝,および棘窩切痕付近で分岐し肩関節包後面中央部から下部にかけて分布する枝を図示している.さらに,肩関節包にはPacini小体,Golgi-Mazzoni小体,Ruffini小体等の固有知覚受容器が存在し,圧力変化や加速度,とくに振動などの深部知覚の感受に関与することが知られている(Rowinski 1985).今回の観察では,肩甲上神経知覚枝は,棘上筋の腹側面(深層)において分岐する例(パターン3)が多く,主に肩関節包上部から後面中央部に分布していた.さらに,知覚枝が肩関節包に進入する部位において,Pacini小体様の固有知覚受容器が認められた.今回の結果および先行研究から,肩甲上神経知覚枝は,主に肩関節包上部から後面中央部の深部知覚を司り,それを中枢神経系へフィードバックすることによって,肩関節の内旋や水平屈曲のコントロールに関与することが示唆される.一方,今回の観察において,肩関節包後面下部に分布する知覚枝は確認されなかった.肩関節後面下部の知覚は,主に腋窩神経が司り,肩関節の外旋や挙上のコントロールに関与すると推測される.

僕個人的な見解としてはローテーターカフの機能低下によって肩関節包の深部感覚が低下して局所あるいは全体的な拘縮が起こり狭義の肩関節(肩甲上腕関節)の可動域制限、起こりさらに動かしにくい状況ができ、さらなる深部感覚低下・関節包拘縮という悪循環が出現すると考えています。

 

故にローテーターカフの促通は肩関節の痛み、拘縮には効果的であると解釈しています。

当然肩関節は肩関節複合体という様々な関節が動きあって動作しますので、ここの部分だけではだめですが、ここ最近は逆に肩甲骨とか股関節にフォーカスが行きすぎて局所を無視する傾向にあるのでこの情報をシェアしてみました。